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2026/03/04

おはようございます。がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」の創業支援担当・河石です。
当センターでは日々、新しいビジネスに挑戦しようとする皆さまの相談を承っています。先日、当センター主催の創業セミナーでの講師の発言が深く心に残りました。
「このセミナーで自身の事業計画を突き詰めた結果、『創業しない』という決断を下すことも、一つの立派な成果です」
私はこの講師の方の意見に強く共感しました。決して創業を諦めさせることを狙っているわけではありません。
現代社会において、会社員という立場は非常に手厚く守られています。 折しも労働基準法の改正検討では、勤務時間外の連絡を拒否できる「つながらない権利」が注目されています。仕事とプライベートを明確に分ける。これは、心身の健康を守るための大切な権利です。
一方、ひとたび経営者の道を歩み始めれば、その「守り」の多くはなくなります。もちろん、経営者も意識的に休みを作ることは可能です。しかし、特に創業期においては、お客様からの問い合わせに即座に応えられないことが、そのまま「信用の欠如」に繋がってしまう厳しさがあります。
・24時間、事業のことが頭から離れない
・トラブルがあれば、休日返上で対応する
・プライベートとの境界線が曖昧になる
これが、自由と引き換えに背負う「経営のリアル」です。私の父はいわゆる「街の電気屋さん」でした。今どきの創業セミナーではなかなか創業するには難しい業種とされます(伝統的な小売業と説明されることもあります)。実家の食卓では、夕飯の最中であってもお客様からの問い合わせ電話が鳴ることがありました。経営者になるということは、家族もその輪の中に巻き込むということです。私自身も、子供ながらに電話応対をしたり、店番をしたりすることがありました。「経営」は、個人の仕事である以上に、家族のライフスタイルそのものを変えてしまうものなのです。
「勢いで創業して、後から理想と現実のギャップに苦しむ」そんな不幸を防ぐために、私たち支援機関が存在します。当センターを活用して、何度もシミュレーションを重ねてください。
・収支計画に無理はないか?
・自分の理想とするライフスタイルと両立できるか?
・そのリスクを負ってでも成し遂げたい情熱はあるか?
これらを徹底的に考え抜いた末に、「今はまだその時ではない」「このビジネスモデルでは難しい」と気づくことができたなら。それは、あなたの貴重な資産や人生を守り抜いたという、最高に価値のある「成果」なのです。
私たちは、無理に創業を勧めることはありません。あなたが納得のいく答えを出せるよう、様々な支援メニューをご用意しています。「まだ形になっていないけれど、誰かに話を聞いてほしい」そんな段階でも構いません。まずは当センターの窓口を存分に活用して、あなたの「創業準備」を充実させてください。