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支援センター職員によるブログ

氷と雪と霜

2026/03/11

向井コーディネータ(技術) おはようございます。 がんばる中小企業と創業者を全力で支援する「広島市中小企業支援センター」のコーディネータ・向井です。

 

 今年の冬を象徴する言葉は「雪と氷と霜」ではないでしょうか。イタリアで開催されたミラノ・コルティナオリンピックでは氷上競技が多くの感動を生みました。氷は人に夢を与える舞台となり、選手たちの卓越した技が光りました。一方国内では、大雪による家屋被害や除雪中の事故も報じられました。自然は美しさと厳しさを併せ持ち、私たちの暮らしに大きな影響を与えています。

 産業の現場では、雪や氷、霜はしばしば厄介な存在です。熱交換器に霜が付着すれば効率は低下し、航空機の翼に着氷すれば揚力が損なわれます。寒冷海域では船体着氷により復原性を失う事例もあり、日露戦争期にはこれを契機に寒冷海域での氷の研究が進められました。氷雪霜は環境次第で大きなリスクとなります。

 その背景には、水の特異な性質があります。凍結・融解時に大きな潜熱をやりとりし、凍ると体積が増え、さらに圧力で融けやすくなる性質です。アイススケートが滑るのは刃の下で圧力や摩擦により生じる薄い水膜によるものです。一方で、この大きな潜熱は氷蓄熱や雪室のように、温度を一定に保ちながら熱を蓄える技術を可能にします。リスクの源は、同時に高度なエネルギー制御機能でもあります。

 氷雪霜を単なる障害として排除するのではなく、その特性を理解し制御して価値へ転換する発想が重要です。データセンターの氷蓄熱冷却による電力ピーク削減、月や火星での氷資源利用、低温DACにおける霜分離、医療分野での氷晶制御、防氷・着霜制御材料の開発など応用は広がっています(表1参照)。氷雪霜を資源として捉え直すことが、新たな技術とビジネスの可能性を拓きます。雪と氷と霜を活かす取り組みにご関心のある方はぜひご一報ください。

表1 氷と雪と霜を利用したホットな開発テーマ(案)

No. テーマ(限定明記) 主な分野 社会インパクト 技術コア インパクトの質
データセンター × 氷蓄熱ハイブリッド冷却 AI・ICT・電力 電力ピーク削減・脱炭素・電力安定化 氷PCM制御、再エネ連動、負荷平準化 市場規模最大級
月・火星の氷資源利用(ISRU) 宇宙開発 宇宙燃料現地生産・持続探査 真空昇華抽出、低重力熱設計 国家戦略級
低温DAC(冷却・昇華分離)× 霜制御 カーボン
ネガティブ
CO₂除去効率向上・エネルギー削減 着霜制御、低温凝縮、除霜最適化 脱炭素基盤技術
医療 × 氷晶制御
(高度凍結保存)
移植・再生医療 臓器保存延長・医療革新 氷核制御、
ビトリフィケーション
医療パラダイム転換
防氷・着霜制御材料(航空・風力) 航空・再エネ 安全性向上・
発電効率維持
超撥水表面、
氷付着力低減
安全+再エネ効果
  • ・ISRU:現地(最終的には火星)での資源利用(In-Situ Resource Utilization)
  • ・DAC:CO2を直接回収する技術(Direct Air Capture)
  • ・PCM:潜熱蓄熱材(Phase Change Material)
  • ・ビトリフィケーション:氷結晶を形成させずに生物材料をガラス状に凍結保存する技術

 


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